【速筋】【遅筋】とは?
筋肉は、骨格筋、内臓筋、心筋の3種類があり、速筋・遅筋は骨格筋に属していて、意識的に動かすことができる筋肉です。
速筋はその名の通り筋収縮が速く、爆発的な力を発揮することができます。
スポーツで言えば短距離走向きの筋肉で、実際のところ100m走選手の筋肉は80%以上が速筋であるという報告があります。
しかし、同時に疲れやすいという特徴もあります。
なぜなら、速筋は運動の際に体内の糖をエネルギーとして使用するのですが、その糖は筋肉中に少ししかないため短時間の内に消耗してしまうからです。
遅筋は筋収縮のスピードは遅いですが、疲れにくいという性質を持っており、マラソン等の持久力の必要なスポーツ向きの筋肉です。
その理由は酸素を十分用いて収縮する筋肉だから。
マラソントップランナーの足は約90%が遅筋であるという報告もあります。
遅筋は体内の糖だけでなく、脂肪を燃焼させエネルギーとして使用します。
ちなみに速筋は別名「白筋」、遅筋は「赤筋」とも呼ばれ、その名の通りそれぞれが白い色、赤い色をしています。
この色の違いは、【ミオグロビン】という酸素を貯蔵するたんぱく質が多いか、少ないかで決まります。
魚でも、白身・赤身がありますが、これも速筋、遅筋に相当します。
白身の魚の代表、ヒラメは砂の中でじっとしており、エサをとる際の素早い動きを必要とするので速筋、つまり白筋が多いんですね。
一方、赤身の代表といえばマグロ。
マグロは長距離を泳ぐ回遊魚で、眠る時も泳ぎ続けるくらいですので、持久力の遅筋、つまり赤筋を持っています。
どちらを鍛えればダイエットに効果的?
結論から言いますと、速筋・遅筋両方とも鍛える必要があります。
速筋を鍛えると筋肉は以前よりも強く、太くなります。(これを超回復という)
すると必然的に基礎代謝が上がり、痩せやすく、太りにくい体になります。
特に食事制限をしているなら、筋肉が落ちて基礎代謝が下がっていますので、速筋を鍛えて筋力量を維持する必要があります。
遅筋を鍛えても、筋肉が肥大化することはほとんどありません。
ということは基礎代謝の向上には関係しません。
その代わり、エネルギーを作り出す能力は上がっていきます。
遅筋は糖だけでなく脂肪を使ってエネルギーを作り出しますので、使うことによって、どんどん体脂肪を消費し、ほっそりとした体型へと変化する訳です。
まとめますと…
遅筋を鍛えて体脂肪を燃焼させつつ、速筋を鍛えて基礎代謝を上げ太りにくく、見た目にも良い体を作ることができます。
鍛える方法
速筋
一言で表すなら、量より質となります。
筋肥大を目指すには高い負荷でトレーニングをする必要があります。
重い負荷をかけた筋トレや、重いバーベルやダンベルをつかった運動などが挙げられます。
凄いことに筋肉は適応能力があり、高い負荷もそのうち慣れてしまいますので、必要であれば負荷を上げることもできるでしょう。
いずれにしても、短時間でもいいので集中して高い負荷を筋肉に与える必要があります。
【遅筋】
こちらは質より量です。
つまり、弱い負荷の運動を多くの回数、多くの時間行うということです。
例えば、ウォーキングやスロージョギング、またサイクリングや水泳などが良いでしょう。
脂肪を効率よく燃焼させるには、体内の糖分などのエネルギーを使用してからがいいので、ある程度の長さ(10分〜20分)運動を続けることも大切です。
まとめ
速筋・遅筋それぞれの特性を知ると、ダイエットに効果的な運動の仕方を知ることができます。
それぞれの目的に合わせて、筋肉を鍛えていきましょう。